日々の出来事を中心に、色々なことを書いていくつもりです。
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2009年08月23日 (日) | 編集 |
グリングベルクにおける戦いの後、少女は仲間の前から去った。
そして、共に戦うと約束した騎士のもとへ戻り、自分の思いを打ち明けた。
あの死者の軍勢との戦いにおける中で生まれた思いを。

「私は……死ぬのが怖いです。これまでもそうでしたけど、いつもはなんとか自分に言い聞かせて恐怖を振り払ってきました。でも……でも、今回は無理です」

死んでいるが故に、死を恐れぬモノたち。
圧倒的なまでの数を前にして、多くの者の死を目の当たりにして、六花の心には死に対する恐怖心が植えつけられてしまった。
その話を、騎士――クラースは黙って聞いていた。
六花が全て話し終えたところで、しばらく考えた後、彼はこう告げた。

「かつて、同じ理由で私のもとを去ったものが数名いた。私はそれを責めるようなことはしなかった。何故だか、わかるか?」

クラースの問いに、六花は静かに首を横に振る。

「その恐怖が、生きている者なら当たり前のことだからだ。誰だって一度は死に対する恐怖心を抱く。それを抑えつけてまで戦いを強要するようなこと、私はしない。それにな、私はこうも思っている」

窓の外に目を向け、一旦、言葉を切る。
そこから見えるのは戦うことを知らない、市民たちの営み。

「なにも誰かと命の奪い合いをすることが戦いではない。いや……人の生こそが、戦いだ。人は生きている限り、なにかと戦い続けている。キミにとってのそれがなにかはわからないが、六花、キミのその選択も決して間違いではない。戦わないことを選ぶのも、また勇気だ」

人の生には限りがある。
誰もがそれを儚く思うだろうが、その短い時間の中でなにをしたのかこそが大切なのだ。
長く生きたとか短い人生だったとかに意味はなく、一生の中でどれだけのことを成し遂げたのかが人に求められるものだとクラースは考えている。

「キミは、キミの本当の戦いをこれから見つけ、悔いのない人生を生きなさい。それが私がキミに望むものだ」

「……最後まで優しいんですね、あなたは」

「私は優しくなどない。ただ、どこまでも愚かなだけだ」

「いいえ、そんなことはありません。あなたは優しいです。少なくとも、私はそう思います」

そこでようやく六花は笑顔を見せる。
それを見たクラースはふっと微笑を浮かべた。

「ああ、そうだ。そうして笑っているんだ。あとは私たちに任せろ」

「……はい。ごめんなさい、最後まで力になれなくて」

「気にするな。キミは十分、戦ってくれたさ。感謝しているよ」

「その気持だけ、受け取っておきますね。ではクラース……」

「ああ、またどこかで会おう。六花」

「ええ、どうかご壮健で」

その言葉を最後に、六花は踵を返し、クラースのもとから去っていった。
一人残ったクラースは空を見上げ、

「負けられぬな。あの少女ひとりの幸せを守ってみせるだけでも、この戦いにはそれだけの意味がある」

そう呟き、行動を開始した。
まずは六花から聞いた、グリングベルク後の王国内での動きについて、誰かに頼まなくてはならない。
だが、すでに彼は一人、心当たりを思い浮かべていた。

「さて……奴が素直に従ってくれるかが問題なのだがな」


---------------*---------------------

クラースのもとを立ち去ってから、六花は街道を歩いていた。
すでに行先は決まっている。
と、その途中でなにやら困った様子の少年を見かけた。歳の頃は自分と同じくらいか。
「どうかしたのですか?」
気になり、声をかけてみた。
それに少年は驚いた様子だったが、すぐに恥ずかしげに、
「いや、実は……親とケンカをしてね。それで自棄になって旅に出てやろうと思って出てきたんだけど、まずはどこに向かったらいいか。それに僕、あんまり戦いとかもできないから」
「まぁ、何事も先の見通しは大切ですよ?」
くすくすと笑う六花に、少年はますます顔を赤らめた。
「でも、行くあてがないというなら騙されたと思って私と一緒に行きませんか?」
「あ、でもお金もあんまりないし……それに初めて会う人といきなり」
「旅人が会う人など、みんな初対面ですし、お金などは気にせずに……ほら、旅は道連れともいいますしね」
「ん……じゃあ、お言葉に甘えます。もしかしたら、あなたと一緒にいけば、なにか見つかるかもしれないし」
「決まりです。では、参りましょうか」

そうして、二人は歩きだした。
六花が彼を連れていこうとしているのは、自分の故郷。
新しい文化に触れることはきっと彼になにか新しいものをもたらすはずだ。
そんな願いを抱いて。



さて……これにて英雄の子孫と呼ばれた少女、六花は舞台より降りた。
彼がこれ以上、物語にかかわることはない。
けれど、物語はまだ終わっていない。
ならば、新しい役者だ必要だ。

---------------------*------------------------------

あとがき

柊「やっつけ仕事のその1! 色々と話を考えたけど支離滅裂になっていくので、もうこれでいいや! そういうわけで、六花はお疲れ様!」

六花「お疲れ様です」

柊「なんだか色々と大変な目にばかりあったけど、これからは幸せに暮らしてくれ。最後に出てきた少年をヒモ……ごほん、いや供にして」

六花「なんだか変な単語が聞こえた気もしましたけど……そうですね、これからは戦いとは無縁の生活を送らせていただきます。故郷で。しかし、私がいなくなったとしたら、あなたは今後どうするんですか?」

柊「ああ、それは……」

???「お~い、柊って奴はここにいるか?」

六花「あら、誰かお客さんですか?」

柊「ゲッ……!(だだだと駆けていき)バカ野郎! お前はまだ出てくるんじゃない!」

???「あ、なんだよ。呼んだのオメエのくせに」

柊「いいから、ひとまず帰れ。今度また呼ぶから」

???「チッ、なんだってんだ……はっきりしねえ奴だな。ったく、イライラするぜ。……まぁいい、じゃあ俺は帰るけど、ちゃんと今度、呼べよな? 今回みたいなことになったら、潰すぞ?」

柊「わかった……わかったから(疲れた様子で帰ってきた)」

六花「なにかあったのですか? それに今のは……」

柊「わー、気にするな! 気にしたら駄目だ! とりあえず、そのうちわかるはずだから!」

六花「は……はぁ」

柊「というわけで、また会いましょう!」

六花「……変な人ですね」
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