日々の出来事を中心に、色々なことを書いていくつもりです。
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2009年06月13日 (土) | 編集 |


ある英雄の子孫の話をしよう。
否、英雄と讃えられながら、それを拒み、人として生きることを選んだ剣士の子孫の話。
先祖の希望を受け継ぎ、それを紡ぐ者の物語。

『心、希望を繋ぎて……』


彼女は、きっとここ――アルアリード大陸では一風変わった出で立ちだった。
街の中を歩けば大抵の者が彼女のことを振り返り、、街道を歩けば遠目にも目立つこと違いない。
なぜなら、彼女はアルアリード大陸よりもさらに東にある国独特の服を纏っているからだ。和服とも呼ばれるが、こちらでその呼び名が通じるかはわからない。
見た目的には動きづらそう。こうして、冒険することに適した服装とは思えない。
それでも彼女は和服を好み、着ている。
故郷から遠く離れた地。
故郷のことを忘れないためにも、こうしてなじみ深い服を着ることで故郷を感じたいからだ。

今日も彼女はゆったりと歩く。
誰もいない街道をただ一人、決して早くはなく、そして遅くもない、彼女のペースで歩く。
布を巻いた、なにか長大なものを手に。
母譲りの銀色の長い髪を揺らしながら。

ふと、その足が止まる。
「また、ですか」
どこか呆れを込めてつぶやく。
彼女から少し後ろ、道を外れたところには林が広がっている。
そこに誰かの気配を感じる。

きっと、また野盗の類だろう。
こうして旅をしていると、出会わないことはまずない。

「出てきなさい」
凛とした声で言い放つ。
まどろっこしいのは苦手だ。だから、さっさと終わらせたい。
けれど、声に反応して林から出てきた存在は、彼女の予想とは違った。

出てきたのは灰色の鎧に身を包んだ壮年の男だった。
鋭い目つきは、明らかにこちらを警戒している。とても、老騎士とは思えない気迫だ。
けれど、彼女はその気迫に懐かしさも感じていた。
彼女の祖父もまた似たような人物であった。

「……なにか御用ですか?」
野盗だったなら、容赦なく殴り倒していたところだ。
手の中にある得物を使わず。
けれど、今回は違う。
今、相対しているのはどこかの騎士。
けれど、ほとんどの国はもはや満足に機能を果たしていないはず。
なら、目の前の騎士は……どこの国のもの?
得体のしれない相手に、彼女もまた警戒を強める。

しばらく、無言のまま時が過ぎた。
そして、その静寂を破ったのは二人の間に降りた一つの影。

大きさは人くらい。
けれど、その頭はヤギのもので、背からはコウモリの翼が生えている。明らかに、人ではない。
それはレッサーデーモンと呼ばれるもの。
人にとっては忌むべき存在。恐怖の対象。死の体現者。
普通ならば、レッサーデーモンを前にした時点で大して力も持っていない人間は生を諦める。
そう、普通なら――

レッサーデーモンが咆哮を上げ、突進する。
標的は彼女ではなく、反対にいる壮年の騎士。
騎士は動かない。ただ迫りくる死を見据え、微動だにしない。
このままでは死ぬ。間違いなく。

その時、銀色の髪が風に舞った。
騎士が見据えていたのは、レッサーデーモンではない。その向こう、手に薙刀と称される武器を手に持ち、軽やかに宙を飛んでくる彼女に向けられていた。
レッサーデーモンがその凶刃を振るうよりも早く、彼女の持つ白銀の刃が振るわれる。

肉を断つ音。
彼女が、壮年の騎士の横に降り立つ。もちろん、薙刀の切っ先はそちらに向けて。
その背後――騎士からすれば目の前で、首を失ったレッサーデーモンの肉体が地面に倒れ伏した。

「見事」
「別にそうでもありません。あなたにも、できたことです」
騎士の言葉に応え、薙刀についた血を払うと再び布にくるんだ。
そう、彼女が動かずとも、この騎士は自らの力でレッサーデーモンを撃退することはできた。それだけの実力を、この年ながら秘めている。
「そうでもないがね」
不意に騎士が腰に差した剣を引き抜いた。
彼女はすぐさま距離を引き離す。が、それ以上に早く騎士は動いていた。
彼女とは別の方向――林の中へ投げる。
わずかに遅れて聞こえてくる断末魔。どうやら、もう一体、隠れていたらしい。
「俺など、この程度だ」
「……」
それは、今の年齢を踏まえてのことだろうか。
もし、もしもこの騎士がもう少し若ければ、彼女は足元にも及ばないかもしれない。

「さて……後をつけた非礼を詫びよう。なにぶん、この辺りでは見ぬ顔であるうえ、見慣れぬ服装をしていたのでな。もしかしたら、王国の者ではないかと」
「なるほど、合点がいきました。ご安心を、私はしがない旅人ですから」
「しがないか……さきほどの動きを見る限り、そうは思えないがね。だが、そう言うのだからそうなのかもな」
「あら、信じるのですか? もしかしたら、私は王国の刺客で、あなたを油断させて殺そうとしているのかもしれませんよ?」
くすっ、っと彼女が笑う。
それに対して騎士も口元に笑みを浮かべ、答える。
「それはないな。君はそう簡単に嘘をつけるような人間じゃないさ」
「まだ知り合って間もないというのに、そこまでわかるのですか?」
「なんとなくだがな…君は信頼できる」
「あらあら、そう言われると照れてしまいますね。それで、あなたはなにを申したいのですか?」
「単刀直入に言う……君の力、私たちに貸してほしい」
真剣な顔つきで、騎士は言う。
「私は今、王国の人道を外れたやり方より人を守るために戦っている。だが、それにはまだ力が足りない。これでは、守れない」
「……なるほど。正直、そのような面倒事は苦手なのですが…王国も関わっていて、さらにあなたはそれと戦っている。奪うためではない、侵略するためではない、ただ守るためにと」
くすりと彼女は笑い、右手を差し出す。
「そういうの嫌いじゃありませんよ? 私などでよければ、力を貸しましょう」
「……感謝する」
騎士も右手を差し出し、彼女の手を握る。


その後、彼女と騎士は共に街道を歩いていた。
騎士が拠点としている町へ、案内してもらうために。
「そういえば、お名前を聞いていませんでしたね?」
「そうだったな…俺はクラース。今はそれが俺の名前だ」
「今は……? 変わった名乗り方ですね。では、私も少し変わった風にやってみましょう」
微笑を浮かべ、彼女が名乗る。
「私は英雄の子孫で六花(リッカ)と申します。といっても、英雄の子孫であることは誇りに思いながらも、振りかざすつもりはありませんけどね」
「英雄……?」
壮年の騎士――クラースが目を細める。
「聞いておきたい。その英雄とは?」
クラースの問いに彼女――リッカはまたくすりと笑い、答える。
「心希(シンキ)……二百年前近くも前、王国ヘルフェンティアを守った英雄。まぁ、本人がそう呼ばれるのを嫌がって行方をくらませたらしいので、英雄とは程遠いかもしれませんけどね」
そう言って、リッカは踵を返し、再び歩き出した。
一人、その場に立ち止まったクラースは口元に手を当て、呟く。
「とんだ大物だな。これもまた、数奇な縁によるもの、というわけか……奇妙な運命よな」

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あとがき
はい、とういわけで俺なにしてんの?
実は見切り発車もいいところなこの作品、なんだかそこそこの仕上がりになった気がするのはなぜ?
いや、明らかに文章おかしいところあるけどね。

そういうわけで、シンキとリーゼの子孫、リッカの登場です。
本当はどっちかの名前っぽくしようとしたんですけどね、やめました。
で、シンキは東の国出身なので東の言葉っぽく、氷や雪のイメージが強いリーゼに近い名前をつけてあげようということで、雪の結晶を意味する六花と名づけました。
ちなみに、どちらかといえばリーゼ似かと。

で、クラースも登場させてみました。
まぁ、こうなるとどちらでも実際のセッションでも使えそうな感じに。
ふっ……種を蒔いたのさ


実際のセッションでどっちが使われるのか、どんなクラスになるのかとかは不明だけどね。

そんなわけで、こんな作品を最後まで読んでくれた人はありがとう。
ここだけ読んでるって人、別に無理して本編読まなくていいからね?

じゃあ、また会おう
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