日々の出来事を中心に、色々なことを書いていくつもりです。
  • 06«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »08
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


2008年09月10日 (水) | 編集 |
これは、私とししょーが出会う前のお話。

ヘテロクロミア――虹彩異色症と呼ばれる、両目の色がそれぞれ違う病を先天的にもって生まれた私は、親から疎まれ、虐待された。学校でも、みんなは私のことを怖がり、近寄りさえしなかった。
いつしか、それが私にとって当り前の生活になっていた。
なら、私は誰かから愛されなくても構わない。
そう思い始めた私の心が壊れるのは早かった。
日に日に増していく親の虐待を受けても悲鳴をひとつもあげず、学校にいってもみんなから距離を置き、化け物と囁かれても気にしなかった。
人形。
あの頃の私を表すとしたら、きっとその言葉が一番よく似合っている。
でも、そんな人形になってしまった私を、人間に戻してくれた人がいた。

それが今はもう名前も思い出せない女の子。
中学に上がってしばらくして、私にできた初めての友達だった。
他人と違う私に、彼女はいつもこう言ってきた。
「人なんて、最初からみんな違うじゃない。だから、玲亜もそう自分を卑下することないって。それに、私は好きだな、玲亜の目」
そんなことを言われたのは初めてだった。
だって、いつも他の人は私の目を見れば気味悪がった。
誰も私という存在を認めてくれようとしなかった。
だから、私は心を殺して人形になった。
そうすれば痛くないから。
そうすれば人の暖かさを知らなくても生きていけるから。
「なんで……?」
思わず口にしたその言葉には、色々な意味がこめられていたと思う。
彼女が私の言葉をどう捉えたかはわからないけど、ただ一言、こう言ってくれた。
「だって、宝石みたいで綺麗じゃない?」
その言葉に、私は自分でも気づかぬうちに涙を流していた。
驚いた。
私に、まだ泣くっていう感情があったことに。
嬉しかった。
私は、まだ人間なんだって。
彼女という存在に、私は確かに救われた。
でも、そんな平和が長く続くことはなかった。

数日後、彼女は死んでしまった。
私のせいで。
変な化け物から、私を守って。

その時、私は今までに感じたことのない感情が自分の中を渦巻いているのがわかった。
悲しみ。
怒り。
憎しみ。
そんな黒くて、吐き気をもよおしそうな感情に、私は呑まれた。
私は目の前に立つ化け物を睨んだ。自分の中にあるすべての感情を、化け物にぶつけるように。
化け物が耳障りな笑い声を上げる。
――うるさい。
次いで、化け物の腕が振り上げられる。私を殺すつもりだ。
――黙れ。
ゆっくりと、腕が振り下ろされる。
――お前なんか、消えろ!
次の瞬間、化け物の動きが止まり、その体がグニャリと歪む。骨の砕ける音、肉の裂ける音、そして化け物の悲鳴が耳につくが、そんなもの知らない。
やがて、黒い球体が生まれ、それがゆっくりと化け物を押し潰していく。
終わりはとても呆気なかった。
助けを求める声ともとれる咆哮を上げながら、化け物は私の目の前で黒い球体に押し潰されて死んだ。
隙間から飛び散った血液が、私の足元にまで届いている。
「はぁ……はぁ……」
頭がクラクラする。
胸が熱い。
まるで、なにかが中から出てくるような感じだ。
「あぁ……!」
離れた場所のコンクリートがはじけ飛ぶ。
よく見れば、私の手がさっきの化け物と似たようなことになりかけている。
ああ、そっか……私も、あの化け物になるんだ。
せっかく人間でいられたのに、今度は人形じゃなくて、化け物になっちゃうんだ。
ふと、傍に倒れている彼女を見る。
もう動かない。
手で触れてみても暖かさはなく、それが彼女はもう死んでしまっていることを物語っている。
「……いっか」
初めて私を受けて入れてくれた人はもういない。
そんな世界で生き続けろというのなら、私は化け物になってしまいたい。
そう思い、意識を手放しかけた時、
「それで、君は今までの自分を否定してしまうのかい?」
不意に聞こえてきた声が、私をこの世界に繋ぎ止めた。
声がしたほうに顔を向ける。そこに、上から下まで真っ黒な男の人が立っていた。
「だ、れ……?」
「私か? ふむ、通りすがりのお節介といったところかな。あるいは、君みたいな子を助ける、正義の味方」
「……あははは」
なんだ、それ。
「じゃあ、正義の味方さんなら、化け物になる私を殺しに来たんだね?」
「いいや、私を君を救うためにここにいる」
「どうして? 正義の味方は人間を助けるためにいるんでしょ。だったら、化け物になった私を殺すことが、人間を助けることになるじゃない」
「違うな。正義の味方の正義とは、人によって違う。私は今、目の前で苦しんでいる少女を救うため、最善を尽くすことこそが私の正義だと信じている。つまりだ、私は自らの正義に殉じる正義の味方なんだよ」
わけがわからない。
そんな正義の味方なんて、聞いたことない。
でも、どうしてだろう。
世界のどこかに、そんな正義の味方が一人くらいいてもいいんじゃないかって思えてしまうのは。
「だが……君を救う前に、私はひとつの質問をしよう。君は死にたいか?」
生きたいか、とではなく、彼は死にたいかと聞いてきた。
それは一見、遠回りな聞き方な気もしたが、きっと違う。
生きることは誰にだってできるけど、自ら死を選ぶことができる人間なんてそうそういない。
いたとしても、それはそこに行き着くまでにすごく悩んだ人だけだ。悩んで、どうしようもなくなって、それで自分から命を投げ捨ててしまう。
なら、さっきの私はどうだ?
自分が化け物になるとわかって、あっさりと自分を見捨ててしまった。
そんなの認められない。
他の人たちは大いに苦しんで死を選んだのに、私はとくに悩みもせずに、その場の感情で物事を決めてしまうおうとしていた。
また目を彼女の死体に向ける。
『私は好きだな、玲亜の目。だって、宝石みたいで綺麗じゃない?』
ああ、そうか。
あそこで死を安易に選んでしまっていたら、きっと私は彼女を侮辱したことになる。
それだけは許されない。
許されないからこそ、私は……。
「死にたく、ない……死にたくない!」
自分の正直な思いを、吐き出した。
だって、死ぬってわかったとき、私の心を支配したのは孤独感と寂しさだった。
私はこの世界に生きて、まだ何もしていない。
そのなにかを果たすまで、私は死にたくない。
「私は、人間として生きたい!」
私の言葉を、男の人はただ黙って、静かに聴いていた。
そして、私がすべてを言い終えると、優しくこう言ってくれた。
「承知した。今、君は確かに自分の口で生きたいと言った。だから、私は君を助ける。君が、この世界で、人として生きていけるよう、ほんの少しだけ力を貸してあげよう」
男の人が私の手を握る。
暖かい。
人の温もりを感じたのは、いつ以来だろう。
いや、もしかしたら私が人の温もりを感じたのは、これが生まれて初めてかもしれない。
「もう一つだけ、キミに言っておこう。これから先、キミには何度も辛い現実が突きつけられるかもしれないが、それから逃げないでもらいたい。キミだけじゃなく、誰もが戦っているということを忘れないでほしい。いいね?」
その言葉に、私はしっかりと頷く。
それを見て、男の人は嬉しそうに笑った。
「うん、いい返事だ。それじゃ、始めるとしようか。なに、怖がることはないよ。次に気がついた時は、キミは病院のベッドの上にでもいるはずだからさ」
「ねえ……」
「ん?」
「最後に、名前を教えて」
「名前、ね。正直、私にそんなものは意味をなさないのだが……そうだね、ムメイ。うん、そう呼んでくれたまえ、桜月玲亜くん」
どうして、私の名前を知ってるんだろう。
それを聞く前に、私の視界は光に包まれ、同時に暖かな温もりに包まれるようなものを感じながら、急速に意識が遠のいた。

次に私が目を覚ましたのは、病院のベッドの上だった。
あの男の人はいない。
でも、きっと私を病院に運んでくれたのはあの人に違いない。どうも、医者や看護師には事件に巻き込まれたと説明し、入院費やら治療費やらなにからなにまで払っておいてくれたらしい。
それに、サイドボードに私宛の手紙が置いてあった。
そこにはきっと普通の学生じゃ稼ぐことのできないような大金の金額が書かれた通帳と、手紙が入っていた。
その手紙には、こう書かれていた。

『強く生きろ いずれ、キミの力が世界にとって必要になる時がくる』

その時は、その言葉の意味はわからなかった。
でも、今ならわかる。
UGNとファルスハーツ。この二つの組織は今、自分たちが信じる世界の未来のために戦っている。
これまでに私も何度か戦いには巻き込まれ、そのたびに目の前で人が死ぬのを目の当たりし、そして人が起こすことのできる奇跡を目に焼き付けてきた。
そう、あの日、私の身に宿った力はこの時のためにあるんだと信じている。

私は今、こうすることこそが自分の正義だと信じている。

これは私がししょーに出会う前、私を人として世界に繋ぎ止めてくれた人との出会いの話だ。

------------------------------------------------------------------------

あとがき

"カイゼル"は現在、玲亜の保護者的な人物。
名前を忘れてしまった彼女は、玲亜がオーヴァードとして覚醒する引き金となった人物。
なら、覚醒直後、力に呑まれかけた彼女を助けてくれる人物がいたとしたら?

普通なら"カイゼル"じゃないかと思うが、私の中では玲亜と"カイゼル"が出会ったのは玲亜が覚醒してしばらくしてからだと思い、今回のような話を突発的に書いた。
GMを混乱させるかもしれないが、別にこれは気にしなくていいです。
玲亜のサイドストーリー的扱いなので。

そして、"正義の味方"について
これはかなりこじつけです。でも、やっぱり正義ってのは人によって違うと思うんですよね。
身内を守る正義、秩序を守る正義、大衆を守る正義……正義なんて様々だと思います。

ちなみに、あの男性については今回は正体を明かしません。
明かすとしたら、セッションにおいて玲亜がいなくなった場合、PCとして登場する時かも?
どうなるかはこれから次第です。

拙い文章でしたが、楽しんでいただけたら幸いです。

スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
こ、コイツは……、次回の伏線ですか!?

利用するしかないじゃねぇか!!
2008/09/11(Thu) 22:55 | URL  | ぴろしき #-[ 編集]
NO!
調子に乗ったら、やっぱりそうきちゃいましたか!

いいですとも、かかってきなさい!

ちなみに、そろそろバカキャラを卒業したいと思っています。
やってて、自分で痛い子に思えてきたので。
2008/09/11(Thu) 23:29 | URL  | 柊 #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。